入試を終え、私自身が忘れないためにも、今の私が感じている3点を記載しておきます。(入試から時間が過ぎるほど記憶や印象が薄まっていってしまうので…)
まとまりの無いメモになりそうなので、ブログ公開しようか迷いましたが、あくまで一つの見方として公開しておきます。
■まず1つ目に感じることは「二極化」です。
都立入試の実倍率予想を見ましたが、倍率が1倍を切る全入の学校がある一方、中堅~上位の学校は高倍率の学校が多いです。つまり、「学校間での倍率差が大きい=難易度の二極化」の傾向です。これはここ数年の傾向ではありますが、今年も傾向継続というところでしょうか。
私は、今年の入試状況は非常に気になっていました。というのも、リーマンショックが起こった10年ほど前の都立入試の傾向は、「都立志向が高まり、全体的にチャレンジングな受験校選びが減り、合格可能性が高い学校を選ぶ安定志向になった」という動きがあったからです。(A高校合格できる力がある生徒が、より安定を求めて1ランク下のB高校を受験。B高校合格できる力がある生徒が、より安定を求めて1ランク下のC高校を受験…の構図)
結果、全体的に満遍なく難しい都立高校入試が数年続きました。例えば今年、全入になりそうな都立永山高校ですが、10年程前は不合格が100名以上出ていました(当時、保護者会でこの話をすると衝撃的だった記憶があります。)
今年はコロナの影響でどうなるかな…と思っていましたが、結果的に「二極化」の流れは継続の様子です。ちなみに数年前から、都心方面(区部)の方が二極化の傾向がはっきりと出ており、多摩地域はまだそれほどではなかったのですが、少しずつ多摩地域でも「二極化」の様子が見えるような気も…
もしかしたら、来年以降にコロナの影響が出ることもあるかもしれませんが…
また、近隣高校の状況を見ると、日野台高校と八王子東高校の高倍率は驚きます。10年前では信じられないです(当時は、この2校は倍率があまり高くなく、正直狙い目かなと思ってもいました。)
どうしてこうなるのか?に関しては様々な要因があると思います。その中でも「私立高校の補助金・無償化」の影響は大きいのではないかと思います。私立への進学という選択肢が増えることで学校選択が変わってきます。
■2つ目に感じることは「学校&入試情報の収集」です。
1つ目に書いたように「私立高校への進学」という選択肢を考えると、当然、私立高校の情報を集めていく必要も出てきます。また、入試制度についても知っておくと得なことが色々とあります。
「是非、私立の学校を調べてみて下さい」と私はよく生徒や保護者の方にお話します。これは単純な理由で、「みんなが気になる都立の情報」は自然と色々な方面から話が入って来くるからです。だからこそ意識的に「あまり話題に上がらない私立の情報」を集めてみてはいかがでしょう?という観点からです。
と、こういうことを書くと「先生は都立より私立推しなんですか?」と言われることが時々あります。私個人としては、どちらを勧めている訳でもありません。ただ「今までと違った視点での情報を知っておく」ことが重要なのかなと。
知ってて選ぶのと、知らずに選ぶのは違うかなとも思うわけです。(そのための情報を提供するのも塾の役目かなと)
いくつか具体的に書けば…
〇都立を受験する場合でも、私立は複数校受験可能です。
〇単純な進学実績は、都立と私立ではかなり違います。
〇現状、とくに上位の大学受験はとても難しいです。付属高人気はその理由も。
〇実は意外と倍率低い学校も多くあります。チャンスとも言えます。
情報をお伝えしたうえで、選択していけたらいいのかなぁと思ったりします。
以前、とある教室で指導していた時の話です。その地域の中学校は内申の付け方が厳しく、学力がある生徒でもなかなか学校の成績をもらえませんでした。(よく言われる話ですが、実際に成績の付き方は学校間格差があります。)
そうすると、自然と「内申」よりも「学力」を生かす勝負=私立高校の選択肢
が広まります。そういう地域もありました。
■3つ目は「きちんとした学力・実力の養成」
10年、20年前と比べ、都立入試は変わってきています。
例えば、理科社会などは顕著で、10年前なら「国語の読解力」と「ちょっとした知識」があれば簡単に得点できるイメージもありました。
今は、きちんとした知識・思考力がないと簡単には得点できない問題も増えています。
今年の受験でも痛感しましたが、日々の学習が本当に大切です。そして、学習する上で「きちんと理解すること」「目的意識を持って学習すること」がやはり学習効果を高めるなと改めて感じました。