多摩地区には大学付属の高校も沢山あります。
特に、MARCHの付属高校は人気が高く(もともと高かったが、近年さらに難化傾向)、受験校や志望校に挙がる機会も多くあります。
明治大学の付属高校(特にこの地域では「明大中野八王子」「明大明治」)は、特によく話題に挙がる学校の一つです。今回は、「明大中野八王子高校」について簡単に入試問題対策や受験するにあたって知っておくべきことを書きます。
※以下は、あくまで私の主観です。各塾によって方針や対策は異なるでしょう。
《明大中野八王子高校》
【概要】
20年ほど前は「他のMARCH付属に比べて入りやすくてお得」といったイメージがありました。実際、都立トップ校(近隣であれば八王子東など)に合格できる力があれば、ほとんど対策なしでも合格できるような感覚でした。今は、当時と全く状況が違っています。ここ10年ほどで難易度はどんどん上がり、都立トップ校を合格できる力がある生徒が不合格をもらうことも驚かなくなりました。
明大中野八王子高校は、多摩地域でトップクラスの高倍率です。私立高校入試では「推薦入試=ほぼ100%合格」というイメージがあるかもしれませんが、
この学校の推薦入試は「内申点+筆記試験点」で判定され、不合格になることもザラです(というより、推薦入試の倍率が4~5倍あります)
人気の高い学校になりましたが、入試問題自体は「明大明治高校」や「明大中野高校」に比べると、取り組みやすい問題が多く並びます(ただし、入試問題の難易度と入試難易度はイコールではないです)
【受験するにあたって知っておくべきポイント】
明大中野八王子高校を受験するに当たって、知っておくべき大事なポイントがあります。それはこの学校特有の「入試制度」です。
この学校は「推薦入試不合格者に当日点+10%の加点措置を与える」という制度があります。制度自体は昔からありましたが、難易度が上昇した近年において、この制度は大きな意味を持っています。つまり、この加点措置があるかないかで、可能性が大きく変わってくるという事です。
この学校の推薦基準は「9科内申34以上」です。9科オール4で36になるので、オール4以下でも推薦基準を満たすことになります。しかし、実際の推薦入試では、34という数字の受験者はほぼ不合格になります。
つまり、明大中野八王子を第一志望とする生徒は、
①推薦入試の基準内申を確保する
②推薦入試を受験する。ただし、内申が低い場合は高確率で不合格になる。
③加点措置を持って一般受験に挑戦する
というのが一つの流れになります。
そして、加点措置をもらったからと言って、安心できるわけではありません。
この学校の合格最低点や受験者平均点を見ると…
合格最低点と合格者平均点にほとんど差が無いことが分かります。
年によっては、「合格最低点>合格者平均点」の年さえあります。
これは通常ではありえません(普通は「合格者平均点>合格最低点」)
どうしてこのような現象が起こるのか?それは先に挙げた加点措置の影響です。
つまり、加点措置の+10%を加えることで合格ラインに届く生徒が多数いることが読み取れる=加点措置をもらうことはこの学校を受験するにあたっての事前準備的な意味合いが強いと考えられます。
学校が発行しているDATABOOK(学校HPから閲覧可能)にも詳細な情報が書いてありますので、こちらを確認すると様々な面が見えてくると思います。
最後に付け加えます。以上が近年の明大中野八王子の入試制度と入試実態ですが、明大中野八王子を第一志望する生徒にとっては分かりやすい制度ではあります(何としても推薦内申を確保⇒推薦ダメでも一般受験で再挑戦)
しかし、この制度は、明大中野八王子を第二、第三志望とする生徒にとってはやっかいでもあります。学力状況、受験日程や志望順位などを踏まえ、考えていく必要があります。
【入試問題と対策】
推薦入試の問題と一般入試の問題がありますが、どちらも傾向は同じ(難易度は推薦入試問題の方が下がります)です。
大昔は「問題は簡単」「平均点は高い」「都立トップ校受験レベルなら対策不要」といったイメージがありましたが、H22年ごろから問題レベルも大きく変わっています。とは言え、同じ明治付属の「明大明治高校」と比べると、明らかに問題難易度は違います。標準的な問題集や、都立高校に向けた学習でカバーできる範囲も広いです。
入試問題の特徴として、
①問題量はそれほど多くない⇒一問一問丁寧に取り組む必要がある
②一度は見たことのあるような問題が多い⇒典型的な問題をきちんと理解する
という特徴があります。
つまり対策としては「適切なレベルの問題集」を「徹底的にやり込む」ことだと私は考えています。この学校を第一志望とする生徒に対して、実際の指導においても「必要以上の難問を扱う」ことより「一定レベル以上の問題を確実に解けるようにする」ことに重点を置いています。
英語の文法・構文問題集は同じものを何週もさせています。数学は一冊のテキストをやり込むためにチェックテスト複数入れ、合格するまで再テストを繰り返しています。
内申確保、入試問題対策と、超えるべきハードルが分かりやすいので、合格に向け一歩一歩進んでいることを体感できるのは良いですね!
※学校HP上に発表のDATABOOKに詳細な情報や傾向が載っているので、今回は各教科の傾向については省きます。
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あ (日曜日, 08 9月 2024 18:51)
推薦入試での合格者は内申どれ位ある人が多いですか
万願寺進学教室 (月曜日, 09 9月 2024 15:48)
ご存知かもしれませんが、学校のHP上に「入試DATABOOK」という資料が掲載されています。そこに推薦入試、一般入試ともに詳細なデータが記載されています。
そちらをご参考下さるのが一番良いかと思います。
ちなみに、この学校の推薦入試は適性検査(筆記試験)が課されるので、内申だけでなく、学力とのバランスになりますが、推薦での合格を目指した場合「素内申40」が一つの目安とイメージしています。
a (木曜日, 12 9月 2024 19:48)
推薦入試の面接はどのような内容でしょうか。塾で対策可能な内容でしょうか。
万願寺進学教室 (木曜日, 12 9月 2024)
私の知る範囲では、基本的には高校入試の一般的な面接です。塾では一般的な推薦入試などの面接対策を行うことはありますが、何か特別な対策が必要とは考えていません。基本的な受け答えが出来れば十分だと私は思っています。
はじめまして (水曜日, 25 9月 2024 08:26)
スポーツ推薦も同様でしょうか?
万願寺進学教室 (木曜日, 26 9月 2024 20:54)
ご承知かと思いますが、スポーツ推薦(スポーツ単願優遇)についても、学校のHP上にある「募集要項」や「入試DATABOOK」に記載があります。
(明大八王子に限らず、特に私立の)スポーツ推薦は学校側との個別相談事案になるので、私から申し上げるのは難しいのですが、、、
①該当クラブの顧問の先生などと事前に話が済んでいる
②既定の内申基準をクリアしてる
の条件を満たすことが必要という認識でいいと思います。
過去に指導していた生徒で、スポーツでの入学をした生徒がいました。クラブチームで活躍していた生徒で、中3の夏前(だったと思います)には既に高校側の顧問の先生と話がついていました。
その生徒はそれまで一般入試を想定した学習をしていましたが、「スポーツ推薦に照準が定まったこと」また、「高校側から中学校の内申を取るべきと伝えられたこと」から、定期テストの学習対策に指導をシフトした記憶があります。
(入試結果を見ると、スポーツなどでの受験者の倍率は実質1倍です)